第12回学術大会のWEB開催に向けて
日本口臭学会第12回学術大会・総会
大会長
岸 光男
岩手医科大学歯学部口腔医学講座予防歯科学分野
皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
令和3年6月4,5日に盛岡市で開催予定であった日本口臭学会第12回学術大会は、WEBでの開催に変更することをお知らせします。3月5日現在、首都圏の緊急事態宣言が2週間延長されるなど、新型コロナウイルス感染症流行に未だ終息の目途が経たない状況で、6月開催は困難と判断いたしました。
本年は東日本大震災から10年の節目の年でもあり、そのようなときに是非、被災地である岩手県で本学会を開催し、復興支援のお礼に岩手の元気をお届けするつもりでおりましたが、このような苦渋の決断に到りました。本決定にご理解賜りました関係各位の皆様には衷心より深謝申し上げます。
さて、現地開催に向けてチーム岩手を軸に準備してまいりました講演プログラムはWEB開催となってもオンデマンドですべて皆様に配信する予定です。本大会テーマである「“におい”という兆し」もそのまま、WEB開催におきましても皆様に参加してよかったと思っていただける学会にしたいと思っております。
関係各位の皆さまには、新たな形態で開催する第12回学術大会を盛り上げていただきますよう、ご支援ご協力を賜りたく宜しくお願い申し上げます。
令和3年3月吉日
これまでの挨拶
日本口臭学会第12回学術大会を2021年6月5日(土)6日(日)の2日間、岩手県盛岡市で開催します。
“におい”は、視覚、聴覚、触覚、味覚とともにヒトの五感の1つであり、ポジティブな感覚としては「匂い」、ネガティブな感覚としては「臭い」と表記されます。
口臭は「臭」の字で表されているように、代表的なネガティブな“におい”の1つです。実際、口臭は歯周病の症候の1つであり、さらにアセトンや窒素化合物のような臭気成分は全身疾患と関連することが知られています。また、口臭は第三者よりも“におい”の元である当事者がより強く感じることが多いことも特徴です。
自分のネガティブな面の象徴として、口臭を消し去りたいと訴える者の多くが歯科医院を訪れます。そしてその訴えは実際に測定可能な口臭の強弱とは必ずしも一致しません。
“におい”の強さやそれに対する感じ方の変化が生じたとき、臭いを発する側、受け取る側(自分の臭いを自分が受け取ることも含めて)にも何らかの変化が生じている兆しであると考えられます。
そこで本大会では、「“におい”という兆し」をメインテーマに、さまざまな“におい”の示す予兆についての知見を集め、臨床における口臭への幅広い理解への一助とすることを目的としました。
昨年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため誌上開催となりました。第12回大会学術大会は日本口臭学会として東北で初めて開催される大会です。皆さまに盛岡の地にお越しいただき、多くの情報とよい思い出をお持ち帰りいただけるよう、現地開催を前提にスタッフ一同、感染対策も含め、鋭意準備を進めております。多くの先生方がご参加されることを心よりお待ちしております。